“サステナブルな推し活”を新たな文化へ。 推しとの社会貢献で、フラワーロス削減の未来を目指す。

“サステナブルな推し活”を新たな文化へ。 推しとの社会貢献で、フラワーロス削減の未来を目指す。

「群馬イノベーションアワード(GIA)2025」ビジネスプラン部門 ファイナルステージに登壇した株式会社花助 代表取締役社長の小林さん。各地の花屋と提携し全国からの受注に応じて、高品質な生花を届けるオンラインプラットフォーム「花助」を運営しています。今回のGIAでは、“推しに花を送ることが社会貢献につながる”新しい形のビジネスプランをご提案。実行に向け、現在も計画を練り続けています。今回はフラワー業界が抱えるロス課題をはじめ、小林さんが提案するサステナブルな推し活についてお話を伺いました。

▼インタビュイープロフィール
株式会社花助 代表取締役社長
小林新一(こばやし・しんいち)さん

▼群馬イノベーションアワード(GIA)とは?

新しい時代を生み出す起業家やそのマインドをたずさえた若い人材を群馬から発掘するアワード。開催13年目を迎え、毎年、「社会課題を解決する」「人々の暮らしを変える」アイデアを募集しています。

 

「提供:株式会社上毛新聞社」

フラワーロス問題に“推しへの熱量”からアプローチ!
「おまかせオーダー」で余剰在庫をなくす

ーーGIAファイナルステージへの登壇、お疲れ様でした!

準備を重ねて迎えた当日だったと思いますが、お気持ちはいかがでしょうか。

小林さん

ありがとうございます!ファイナルステージに立つ日は、相当緊張していましたよ(笑)無事にやりきることができて良かったです。

      

最近は周囲の支援にまわる機会が増えたので「自分もまだまだ挑戦したい」という想いでアワードへ参加しました。素晴らしいアイデアをお持ちの方々から良い刺激をもらう機会にもなりましたね。中には、すぐにでもビジネス展開できるようなものもあり、驚かされました。

ーー小林さんは「推しに花を贈ることが社会貢献につながるプラットフォーム」というテーマについてプレゼンテーションをされましたね。

「提供:株式会社花助」

小林さん

はい、最近は“推し活”という言葉を頻繁に耳にするようになりましたよね。

「花助」を運営する中でも、推し活の一環として、“応援している方のイベント会場にお祝いの花を贈る”という動きが活発になっていることを感じていました。スタンドに活けたカラフルな花を、バルーンや札で装飾するゴージャスな贈り方が主流になっています。細部までこだわった注文が多く、期限ギリギリまで調整を重ねてやっと完成することも。

 

そんな中、今回は「花の指定をせずにフラワースタンドを作成することで、フラワーロス削減を目指す」ことに加えて、「購入金額の一部を“推しの名義で”寄付する」という環境配慮と社会貢献を両立するプランを提案しました。

ただ単にフラワーロス削減を目指すだけではなく、せっかくなら“推しとの絆も深まり、皆さんにも喜んでいただける仕組み”を提供したいですよね。

ーー推し活をしっかり楽しみながら、社会貢献もできるということですね!気になったのは「注文の際に花の指定をしない」ことが、なぜフラワーロス削減につながるのでしょうか。

小林さん

“推しに対する強い情熱”があるからこそ、多くの方は使用する花のカラー・品種・本数まで注文の際に指定して、仕上がりにこだわります。もちろん、その想いは大切にしたいと思っていますが、これがどうしてもフラワーロスを生みやすいんです……。

    

お客様の要望に沿うため、花屋は何種類もの花を数十本単位で仕入れますが、その注文すべての在庫を使い切ることは滅多にありません。

例えば「紫色のバラ」が余っていたとしても、タイミングよくそれを買い求めるお客様はなかなかいらっしゃらいません。

花は商品としての寿命も短く、結局ロスになってしまうことが多いんです。

高品質な花をお届けすることには変わりないですが、注文時の指定を「おまかせ」にしていただくだけでも、大幅なロス削減につながります。

また、「色指定のみ可能なプラン」など、お客様のこだわりとサステナブルを両立できるよう、多様な選択肢をご用意する予定です。

ーー推しへの熱量が高いからこそ生まれてしまう、難しい課題へのアプローチなのですね。そもそも、業界としてフラワーロス課題をどのように捉えているのでしょうか。

小林さん

仕入れた花のうち、実は約30〜40%がお客様の手に渡ることなく廃棄されているのが現状です。 金額にすると、なんと年間1,500億円もの花が捨てられています。

誰の目にも触れずに廃棄されてしまう心苦しさはもちろん、経営面から見ても、決して見過ごせない課題です。

「たくさん注文を受けないとお店が続けられない」という切実な状況の中で、多くの花屋が「どうにかしてこの現状を変えたい」と願っています。

 

一方で、花は生き物なので在庫管理が難しく、育てるのにも時間がかかります。 さらに、「贈りものなら、今すぐ綺麗に咲いているものを」「自宅用なら、つぼみから開花までを長く楽しみたい」といった、お客様一人ひとりのニーズにお応えすることも大切です。一筋縄ではいかない難しい課題ではありますが、解決に向けて着実に取り組んでいきたいですね。

社会貢献で、推しとファンの絆を生み出す。
そして、より良い社会へ。

ーー「花の指定をしない」ことに加えて、「購入金額の一部を推しの名義で寄付する」と仰っていましたね。こちらについても詳しく教えてください。

小林さん

“花の指定しないプランでご購入いただいた金額の一部を“推しの名義で”寄付し、その旨を記載した札を装飾として設置する、という流れを考えています。

フラワースタンドが目に触れた際にも、「社会貢献への意識が高いタレント」ということが一目で伝わり、ポジティブなイメージを持っていただくことができますよね。かつて震災復興のために、寄付をおこなったアーティストが社会的に賞賛された例もあります。            

ファンがプロデューサーのように、推しの社会的イメージを一緒に創っていくことができる取り組みです。“新しい応援の形”として、双方に喜んでもらえるのではないかと期待しています!

「提供:株式会社花助」フラワースタンド完成イメージ

ーーファンと推しが一緒に社会貢献をしていくことで絆が深まる、というお話は聞いているだけでもワクワクしてきますね。インスピレーションはどこから生まれたのでしょうか。

小林さん

韓国でおこなわれている「米花輪」という取り組みに、刺激を受けました。

K-POP歌手のファンが、花輪と共に米袋などを贈り、それが最終的にアーティスト名義で福祉施設などに寄付される文化です。

寄付文化が根付いている韓国では、このような“社会にやさしい推し活”が一般的になっています。

 

日本では、まだそこまで社会貢献の習慣が普及しているとは言えません。

私たちの取り組みが、社会をより良くしていくためのムーブメントになってくれたら嬉しいです。

ーーフラワーロスだけではなく、広く社会問題を見つめているのですね。最後に、今後の展望について教えてください。

小林さん

今回GIAで提案したプランを、「花助」で実際に導入できるよう今後も計画を進めていきたいと思っています。推しに贈るフラワースタンドの予算は平均で4万円ほど。

個人でこれほど高額な贈り物をする、高い熱量を持つコミュニティは貴重です。ぜひ、この熱量をそのまま社会貢献に繋げられたら――こんなに素晴らしいことはありません!フラワーロス削減、そしてより良い社会を築くために、これからも挑戦を続けます。